遺伝医学 ー未来への発展ー
この数年で、遺伝医学は大きな飛躍を遂げました。従来のDNA解析方法であるDNAシークエンス法が進化しているのです。これにより、様々な病気の予防や予測、診断、治療などの改善が期待されます。
遺伝子治療によって、遺伝性疾患を持つ患者の遺伝異常を修復することは広く知られています。近年は、医師や専門家たちの働きによりDNAシークエンス検査における技術的、経済的な課題が解決されつつあります。さらに、多くの研究者らが改善を試みており、検証には人工知能が活用されています。
また、遺伝的要因と生活習慣によって発症する、高血圧や肥満、癌などの治療の研究も進んでいます。「およそ100の遺伝子を含む遺伝子パネル検査によって、病気のリスクや経過を、より明確に予測できる可能性があります。高血圧や肥満、癌などの病気は、死亡原因として最も多いとされているため、この研究は非常に重要です。」こう語るのは、カレル大学医学部の生物学・遺伝医学会長であり、プラハ総合大学病院の医師でもあるオンドジェイ・シェダさんです。
患者の遺伝子状態に基づいた治療や身体に関わる栄養、つまり薬理遺伝学や栄養遺伝学の分野も常に発展し続けています。「この進歩により、従来の医療や生物化学検査にもDNAシークエンス法が取り入れられるようになりました。そして同時に、遺伝学者の役割も重要になっています。遺伝学者は様々な分野の研究者と連携することで、患者にDNAの遺伝情報を、より分かりやすく提供することができるのです。」シェダさんはそう説明しました。
また、次世代シークエンス法(NGS)と呼ばれるものがあります。カレル大学第一医学部の小児・青年科研究所長であり、プラハの大学総合病院に勤めるカロリーナ・ペシュコバーさんは、この次世代シークエンス法について次のように説明しています。「この方法は、医師、遺伝学者、生物学者の協同によってうまれ、診断を決定するために重要視されています。2017年8月1日には、プラハ総合大学病院にて新たなシークエンスセンターが開設され、各診療科において次世代シークエンス検査が可能になりました。私たちは、遺伝性肥満症やミトコンドリア病などを抱える小児患者や、高コレステロール血症などの内科疾患を抱える患者、また病理・腫瘍科の患者に対しても、この検査方法を奨励しています。」ペシュコバーさんは、この方法の展望について、次のように語っています。「今後は心筋症や骨異形成症などにも対応できるよう、準備をしています。この新技術によって、数十万から数百万のシークエンス解析を同時に行うことも可能になります。」将来は、近代的な遺伝検査が積極的に導入されるようになり、遺伝性疾患に対するより良い治療やカウンセリングが実現すると考えられています。