ブルノに住むペルシャ人医学生:内気なチェコ人の心を開かせるには、尊重すること。
Persian med student in Brno: Czechs are introverts, but open up if you respect them
チェコ人は、初対面の外国人に対して心を開きにくい国民性と言われています。それに対し、医学部を卒業したばかりのMr. Amir Samadian(アミール・サマディアンさん)は、「チェコの文化を心から尊重することで、我々のことを受け入れてくれるはず。」と語っています。彼はブルノで6年間の生活を終え、チェコ語が話せるようになり、多くのチェコ人の友達ができました。
マサリク大学は彼の故郷から非常に離れた場所にありましたが、彼は、学業に専念し、ブルノでの生活も満喫しました。イラン出身のペルシャ人であるアミールさんは、数年前に、アラブ首長国連邦からブルノに渡り、ブルノの大学病院で外科医として働くことが決まっています。「医者になることは多大な責任を負う。だからこそ、最善を尽くす。」これが、アミールさんの信念です。
海外の医学部で勉強するきっかけを与えたのは、小児科医として働く兄でした。 「兄は、ロンドンの会議でチェコ人の医師たちに会ったことで、私にチェコへの進学を勧めるようになりました。それからネットで大学について調べるうちに、マサリク大学が高い大学ランキングを持ち、授業料が安く、そして最新の設備があることが分かりました。」これが、全ての出来事の始まりでした。
「マサリク大学は非常に素晴らしい大学であり、多様な経験ができる教育プログラムを提供しています。私は、Vinařská(ビナンスカ)寮で生活していました。寮での生活は、世界中の国々の人々が滞在する国際的な環境でした。寮生は、必要な時に助けてくれる、非常にフレンドリーな人たちでした。」それにもかかわらず、彼は新しい環境に慣れるのにしばらく時間がかかったと話しています。「私にとって挑戦の日々でした。医学部での勉強は、非常にハイレベルでした。毎日一生懸命勉強し、医者への熱意を保ち続け、慣れない教育システムに対応しなければなりませんでした。また、数名の年配の先生方は流暢な英語を話せないので、コミュニケーションのとり方が難しかったです。しかし、本当に医者になりたい気持ちがあるなら、解決策をみつけることができるはずです。」彼は、学問への向き合い方を教えてくれました。「数名のクラスメイトは、完璧主義者で、常にオールAの成績で合格することを目指していました。しかし、学位だけでは人の能力ははかれません。最も大切なことは、『患者さんを助けるために、この医学を学んでいるのだ。』という、自分の信念をもつことです。」
アミールさんは、大きなカルチャーショックはありませんでしたが、チェコ人は、ペルシャ人と比べて内気で恥ずかしがり屋な性格であると感じています。「彼らは、外国人と話そうとしたがらないし、社交的ではありません。しかし、いったん関わる機会があると、すぐに親しみを持って接してくれます。また、チェコの文化を尊敬し理解することで、チェコ人の仲間になることができます。少なくとも基礎レベルのチェコ語を話せるようにしておくのが良いです。これは相手への敬意を表しており、受け手のチェコ人も好印象をもつはずです。」
彼は、医師としての将来を、真剣に考え、後輩たちに次のようなメッセージを残しています。「医者になることは特権ではありません。それは、使命です。人々の命を預かるのです。名前の下に“医師”と記入したとたんに、患者さんはあなたの言葉を信じます。だからこそ、医師としての職務には細心の注意を払うべきです。何をしたかではなく、最善をつくしたかが大事です。その過程を通して、患者さんはあなたの助けを必要とします。そして、あなたは、いくらかの収入と限りない幸せを手に入れることができるでしょう。」