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米国からの医大生  コロナ禍、ボランティアと学業を両立させた日々。

米国からの医大生  コロナ禍、ボランティアと学業を両立させた日々。

米国からの医学生マイケル・フィルダーのマサリク大学医学部での春学期は想像以上に大変だったようです。チェコで緊急事態宣言の発令後、25歳のマサリク大学の医学生マイケル・フィルダーは、ボフニチェ大学附属病院(大学キャンパスとの連絡橋で直結している56の診療部門がある地域中核の病院)のボランティアにサインアップしました。そして、今学期、コロナ検査補助や検査用テント設営のボランティアに従事しながら、同時に期末試験にも全てパスすることができました。マイケルはコロナ禍で9月までに期末試験を全てパスできるかどうかを春学期より心配していましたが、実際には、7つある全てのテストを7月中旬にはやり遂げていました。

在宅学習、オンライン授業を受講しながら、マイケルは3月から5月まで週3日6時間病院でボランティアとして働きました。そこでは、コロナ禍で大勢の患者が病院を訪れてきました。「勉強だけに集中できた前学期よりも春学期はずっと大変だったのですが、困っている多くの人を助けることができたことをとても嬉しく思っています。とても貴重な経験ができたと思います。」

彼は最初の1週間、ドライブインでのコロナ検査のボランティアとして働きました。検査ステーションはチェコでコロナが急増した3月が最も忙しく、1日100件以上の検査が行われていました。「検査ステーションでの仕事は非常に大変でした。寒い中、動きにくい検査スーツで一日8時間以上立ちっぱなしでした。私の仕事は単純で、担当医に検体を取るスワブを手渡すことでした。そして検体をチューブに入れ、患者の名前ラベルをつけ、検査ケースに入れます。毎日同じ作業の繰り返しでした。」検査ステーションでのボランティアを希望する人は多いのですが、マイケルにはこの仕事がどうしてもつまらなく感じてしまいました。ラベルに貼るチェコ語の氏名のつづりが難しかったのもその理由の一つです。そのため、その代わりの仕事として病院前の災害用テントの設営や運営に担当を変えてもらいました。ボフニチェ大学附属病院で診断を受けるには誰もがまずここで検査を受けなくてはなりませんでした。

若い医学生のマイケルは、病院に来た患者にその症状を聞き、熱はあるか、コロナの可能性、病院への立ち入りを許可してよいものかを判断するという重大な任務を病院のスタッフと共に担当しました。「私たちは病院へ立ち入る患者の数を最低限にしなくてはならず、面会、付き添い、出産立会いもお断りしなくてはなりませんでした。しかし、重症者や急患などは一日150人程度入ってきましたので、災害用テントはなくてはならないものでした。」マイケルにとっては患者とのチェコ語でのコミュニケーションは難しくはあったけれど、とても楽しかったといいます。

そして、チェコ語が上手な彼のことを誰も外国人だと思いもしていなかったようです。ボランティアと勉強の両立は大変だったけれど、この危機に貢献できたこと、それから病院の手助けができたことを嬉しく思ったそうです。「チェコはこのコロナ禍の危機的状況を上手く乗り切っていると思います。みんながステイ・ホームやマスク着用の重要性を理解して、協力しあっています。医療従事者の子供を預かったり、ボランティアで病院や老人ホーム用にマスクを作ったり、私達のようにテントで働いているスタッフに感謝を込めてランチやスナックを差し入れてくれたりしました。みんながこんなにも強い団結力をもっていたなんて、正直驚きましたが自分もその一員になれて光栄です。」