医学部卒業生インタビュー
The Faculty of Medicine graduate Interview: I’ve come to love Brno
医学部卒業生インタビュー:「マサリク大学に入学して、ブルノが大好きになりました。」
イスラエル出身のRoye Mauthnerさんは、マサリク大学で6年間医学を学び、卒業しました。マサリク大学に来て、Royeさんはブルノの街をすぐに好きになったと語っています。Royeさんのマサリク大学でのキャンパスライフ、そして今後の進路について話をしてくれました。
◆ マサリク大学に進学しようと思った動機は何ですか?
他のどの国よりもチェコに一番興味を抱いていました。祖父がプラハ出身というルーツがありましたし、ブルノへの進学を決めた時、あまりイスラエル人学生が当時は多くなかったことがあり、自分がパイオニアになれるということも魅力的でした。医学を学ぶことを考え始めた時、ブルノに旅行に来たのですが、その際、「ここがこれから6年間を過ごす場所だ」と確信しました。
◆ ブルノの第一印象は?
異なった文化背景を持つ外国人学生として、少なからず不安はありました。習慣・文化の違う街にやってきただけではなく、新たな生活習慣を受け入れる必要がありました。来たばかりの頃は、慣れない街や、自分の選んだ道に怖気づいてしまうこともありました。勉強についていけるか、最後までやり遂げることができるかも不安になりました。言葉の壁もあり、チェコ語が話せないことで、やはり生活上不便に感じることもありました。しかし、6年間の生活を通して、次第に言葉にも慣れ、周りの人と積極的にコミュニケーションがとれるようになることで、不安は徐々に解消されていったと思います。現地のチェコ人学生もチェコ語だけでなく、英語でも積極的に話しかけてきてくれるようになり、徐々に外国人学生を受け入れてきてくれるようになりました。最初の頃に比べると私のチェコ語も各段に上達しました。
◆ 外国人医学生への教育は、英語だけではない?
英語での勉強に加え、1週間に1時間半の8学期にわたるチェコ語の授業があります。多くはないけれども、授業では主に医療用語を学びます。チェコ語の必要性はとても感じていました。というのも、医者として患者とコミュニケーションをとる必要がありましたし、多くの患者は英語を話さないので、お互いを理解するためにチェコ語が必要でした。
先祖がチェコ人であることも更なるモチベーションとなって、私はチェコ語を全力で勉強しました。外国語の勉強は楽しみでもありました。もちろん簡単ではありませんでした。例えば未だに、’’ř’’の発音には悩まされています。しかしながら、医療用語については、以前よりずいぶんとチェコ語を使えるようになりました。
◆ 勉強はとても大変そうですが、勉強以外で時間を作ることはできましたか?
時間管理を上手く行えば、友人と遊んだり、スポーツをしたりする時間も作れますし、学校行事にだって参加することができます。私は一年生の頃から、MIMSA(医学生留学協会)のメンバーとして一年半活動していました。自己管理ができれば、勉強だけではなく、私生活も充実させることができると思います。
◆ イスラエルとチェコの大きな違いは?
イスラエルはとても温暖な気候です。それは気候のみならず、人々の気質についても言えることで、イスラエルの人々は総じて温厚な性格をしています。よって、チェコの「より冷たい」、フォーマルな文化に接することはとても興味深かったです。例えば、チェコでは、学生は試験を受ける際、少しフォーマルな服装をしなければいけません。イスラエルのドレスコードはもっとカジュアルで、ショートパンツとビーチサンダルでも 試験を受けることができます。さらに、教授に対しても、名前で呼び、敬称はつけません。イスラエルでは、肩書きではなく、人柄に重きを置くのです。対してチェコ人は、職業に対して大きな敬意を示します。チェコ人は、一見冷たい印象を受けますが、知れば知るほど、とてもフレンドリーな人たちだとギャップがあるのが分かります。
◆ ブルノの何が一番好きですか?
ブルノはどの季節も素晴らしいです。私は雪の降るヨーロッパの冬が大好きです。最近ブルノではあまり雪は降りませんが、それでもスキー場があり、町からたった一時間半で行けます。美味しいワインやビールも味わえますし、街は素晴らしい自然に囲まれています。 スポーツの文化、家族、長い週末を代表する地域間交流(イスラエルでは一週間の内休みは一日のみ)なども大好きです。そして何よりも素晴らしいのは、ブルノがヨーロッパの中央に位置している為、他国に容易に行けるということです。外国人学生との連携が、ブルノの街の発展に寄与していることが目に見えて分かると思います。ブルノの街は、住んでいる人々や街の施設を含め、総じて以前より住みやすい街になってきています。チェコが大好きになりましたし、国際性が増してきているブルノの街も大好きです。
◆ マサリク大学での勉強を通して得たものは何ですか?
異文化の中で生活するという、かけがえのない経験です。マサリク大学は、将来医師として活躍するための、素晴らしい環境を与えてくれたと心から信じています。医学部、そして卒業生の評判が良くなってきているのは明らかです。3年生を終了した頃、イスラエルに戻ることも考えましたが、最終的にはブルノに留まることを決意しました。ブルノで勉強することに決めたのは、イスラエルのテルアビブ市での以前の勉強に比べ、新しい施設や研究所、集まった学生や学習環境が素晴らしいものだったからです。
◆ 勉強を終えた今、進むべき方向は決まりましたか?
イギリスで研修をしたいと思っていますが、まだ、少し決めかねています。他にも選択肢が沢山あるからです。イスラエルへ戻るという選択肢もあります。しかし、その場合は十分な医学知識を備えていることを証明する免許を取得する必要があります。また、アメリカの医師免許を取得するという選択肢もあります。アメリカの医師免許を取得できると、アメリカとイスラエル両方で医師としての道が開かれることになります。今は、ブルノでアメリカの医師免許の試験の準備をしています。この先どうなるか、自分でも楽しみです。