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白血病研究の新境地(医学部留学)

Breaking new ground in leukemia research

白血病研究の新境地を開拓。アメリカ研究機関との共同研究にも期待の声。

慢性リンパ性白血病の研究で世界最大の研究グループの一つ、トーマス・キップスの研究所で医学実習をするため、マレック・ムラーズ(写真)はカリフォルニアに留まり、研究を続けることも出来た。しかし、彼はブルノに戻る申し出を行い、今はCEITEC研究センターで新たな研究グループを持ち、マサリク大学の最も重要な研究者の一人として活躍している。

「トーマス・キップスは私たちの分野でトップ5に入る専門家の一人です。彼のチームで研究出来たことは、私にとって大変名誉なことであり、教訓になりました。」とムラーズは回想する。そして、そのような専門家と一緒に研究成果を発表するということは、科学分野の最高峰の研究者になるための切符を得たと言っても過言ではない。患者の治療方法を基本的に変えた二つの薬剤マーケットシェアをキップスが持っていることもその理由である。

サンディエゴの大学(UCSD)にも、日々の研究成果を報告しており、ムラーズの貴重な研究結果はアメリカの生物医学分野で最重要の3にランク付けされている。「CEITECのいくつかの研究所がUCSDと競争することで新たな科学的な発見の可能性を期待することができる。」とムラーズは考える。2014年には、彼の研究が認められ、白血病・生物学研究のために欧州血液学会から名誉ある助成金が授与された。

 

CEITEC研究所でムラーズはBリンパ球の再生及び生存過程を研究しており、研究の一部は権威ある雑誌Bloodに論文が発表されている。通常は感染から人間を守る細胞が白血病腫瘍細胞になる。白血病はそれらが急速に増殖することにより、病気が悪化する。

ムラーズの研究チームは、このタイプの癌の手がかりは、B細胞受容体と呼ばれる重要な細胞経路にあることをつきとめた。ムラーズはRNA分子の一種で標識されたマイクロRNA-150を調整する経路を論文に記載した。「患者が、低マイクロRNAレベルの場合、腫瘍細胞が急速に増殖し、投薬治療に対してより抵抗性がある。」とムラーズは観察により完全な新境地を開いた。

現在、研究者たちはブルノの大学病院の内科・血液学・腫瘍学の医師と連携し、トーマス・キップスと共同で、ムラーズの研究室で白血病研究を継続している。