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パーキンソン病の早期発見を目指す(海外医学部)

Scientists hope for earlier Parkinson diagnosis

マサリク大学のCEITECCentral European Institute of Technology)の研究者らは、脳の萎縮とそれに関連する2つの難治性疾患、多発性硬化症とパーキンソン病の診断力向上を目指しています。彼らは、マリ・キュリー支援団体のホライゾンプログラム2020の一環として、EUの名誉ある助成金を獲得することができました。これにより米国からヨーロッパ諸国、そしてそれを必要とする患者のいる病院施設に非常に高度な映像技術をもたらすことができます。

「パーキンソン病や多発性硬化症は、深刻な神経疾患です。現時点で、これらの治療法はまだ確立されていません。我々にできるのは、ただ症状を管理することだけです。しかし、高解像度の映像装置と、より正確な脳の映像化が実現すれば、脳の病理学的な変化を早期に検出することができ、病気に対してより効果的な対策がとれるようになります。」こう語るのは、162千ユーロ(約2千万円)の助成金を獲得した、神経学者のマルティン・バレシュさんです。

マイクロブラダムプロジェクトでは、MRIの新しい技術と知識を発信し、これらの有効性を確認することで、一般の臨床研修への導入を目指しています。このプロジェクトは、マサリク大学のCEITECの他にイタリアやフィンランドの大学やサイエンスセンター、そして世界大学ランキング100位内に入るアメリカの名門ミネソタ大学とも連携しています。

「この新技術による優れた解像技術と高度な映像精度が実現されれば、我々は脳の変性やその原因を突き止めることができ、診断や治療法の向上が期待できると思います。」バレシュ氏はそう付け加えました。チェコでは、4万人がパーキンソン病や多発性硬化症に苦しんでおり、これは非常に多くの患者に関係することでもあります。

バレシュ氏は、マサリク大学のCEITECが、この名誉ある助成金を獲得したことにより、現在業界で標準とされている1.5テスラのMRIに代わって、3テスラのMRIが導入され始めることになり、本当に大きな意味をもつと主張しています。