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マサリク大学、祝100周年!

2019年1月28日、マサリク大学が創立100周年を迎えました。1919年に創立されたマサリク大学があるブルノの街では、既に街中のトラムに「MUNI 100」という100周年記念のロゴが飾られていたり、チェコ郵便局と協力して記念切手が販売されたりと、祝賀ムードに包まれています。100周年の当日には、アワード授賞式や記念コンサートなどが行われ、3月や6月にも記念の式典などが催される予定です。

現在のマサリク大学は、国内外の教育機関からも高い評価を得る大学になりましたが、その背景には激動の時代を歩んだ歴史があります。第一次世界大戦前、チェコスロバキアという国はなく、オーストリア=ハンガリー帝国の支配下にありました。1918年、第一次世界大戦終結時にオーストリア=ハンガリー帝国から分離され、プラハにあるヴァーツラフ広場にてチェコスロバキアの建国が宣言されました。再び自由の国となった同国は、経済・文化などにおいて著しい発展を遂げました。初代大統領には、独立運動を指導し「チェコスロバキア建国の父」と呼ばれたトマーシュ・マサリクが就任しました。マサリク大学は独立宣言からわずか3カ月後にあたる1919年1月28日に、初代大統領名にちなんで設立されました。しかしその後、第二次世界大戦中には、ナチスによる占領により6年間大学は閉鎖を余儀なくされました。また、冷戦が始まった1948年から共産主義国家となり、政府に傾倒しない大学への抑圧や思想弾圧が強まり、大学全体として苦難の時期を送ることになります。

1989年、共産主義時代にようやく終止符が打たれ、民主化が実現しました。そして、1993年にチェコとスロバキアが分離・独立し、現在のチェコ共和国が建国されました。この頃からマサリク大学には経済学部やスポーツ学部などが新設され、学校は徐々に生まれ変わっていきました。2010年には医学部のキャンパスも一新され、2020年にはシミュレーションセンターの完成を予定するなど、ますます進化を続けています。

このような長い歴史の中でマサリク大学は、卒業生や社会に貢献してきたこと、及び教育機関としての成長を支えてもらった感謝を込めて「Thanks to and from MUNI」というスローガンを発表し、一年を祝います。

<マサリク大学の学長からのメッセージ>

この100周年という節目は、学生達が大学生活で身に付ける私たちの大切な教育理念や風習を改めて見つめ直すいい機会だと思います。マサリク大学創立はチェコスロバキアの民主化成立と密接な関わりがあるため、民主主義は大学にとって重要な意味を果たしています。過去に重圧や妥協もありましたが、私たちは「大学生活において自由は必要不可欠」という信念を持ち続けてくることが出来ました。