医師を目指す方へ Message To Future Doctors

医師を目指す皆さんへ

岩尾 總一郎  慶應義塾大学医学部客員教授
元厚生労働省医政局長
元WHO(世界保健機関)健康開発総合研究センター長

ヨーロッパの大学は、入学は優しいものの卒業は難しい。
マサリク大学やカレル大学医学部は日本と同じく6年制だが、地理的、歴史的な経緯から、英語による医学教育を行い、外国人留学生を受け入れている。
また、EU域内各国の医師国家試験は共通認証制度をとっているから、医師国家試験に合格すればEU28か国では医師として働く権利を有する。米国、カナダでの医学部卒業資格認定も得られる。
医学においてはグローバル化が進んでいる。2020年オリンピックだけではないが、これからは国際的な視野をもつ医師が求められる。日本人が外国の医学校に留学し、英語で医学を学ぶ、そして、日常生活を含め、多くの外国人に交じって切磋琢磨することが、のちに日本に戻った時、あるいは外国で医療に従事するときに大いに役立つ。日本と異なり欧米は秋入学が主流だ。また、大学卒業時期と日本の医師国家試験受験時期が重ならないので、高校卒業後日本の医師免許を入手するには最短でも7年かかることになる。しかし、一浪二浪は当たり前の日本の大学医学部受験を考えれば、たとえ年月がかかったとしてもその価値はある。ダブルライセンスを活用して世界に羽ばたいてもらいたい。

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